絵本『阿賀のお地蔵さん』
絵と文 WAKKUN
考古堂 1,600円+税

















自然のおこした災害の街・神戸から、人間のおこした災害の里・阿賀へやってきた、たかしくん。
苦しさをのりこえて、この世に生きてゆく人々の強さとやさしさが、阿賀のお地蔵さんを通して、
たかしくんの心にまっすぐ伝わっていきます。
あたたかくて、せつなくて、そして勇気を与えてくれる絵本です。

児童文学作家 杉みき子   (帯びの言葉)

新潟水俣病

 今から50年前、熊本県水俣市で世界初の水俣病が公式確認されました。チッソ水俣工場が水銀を含む排水を海に流し、それに汚染された魚を食べて神経を侵された健康被害です。二度と起こしてはならないはずの同じ過ちがその9年後、新潟県で繰り返されました。阿賀野川中流にあった昭和電工鹿瀬(かのせ)工場の排水が原因で、これが新潟水俣病(第2の水俣病)と呼ばれるものです。
 以来半世紀、患者さんや支援者達による数々の運動や裁判闘争によって、企業や国の責任は明確にされたものの、病苦は消えず、いまだに大勢の患者さんが放置されたり、未解決の問題もたくさん残っています。
(旗野秀人・絵本「あとがき」より)